PDCAはグルーヴでまわせ!
上田氏の会社観は音楽が中心軸。
「好き」のレベルを超え、「経営は芸術」が信念なのです。
音楽とは直接関係のない仕事であっても、
自分の信じる言語でなければ本気の想いは伝わらない。
突然アメリカから後継者として呼び戻され、
リズム感の異なる組織で悪戦苦闘を重ねるうちに、
ラテンのリズムを全社共通言語として社員の息を合わせることに成功。
ふだんは聞こえない鼓動を見える化してPDCAをまわします。
そのカギは、仕事をする本人たちも楽しみながら、
なおかつ観客(お客様)も心地よくするという「グルーヴ感」にあったのです。
オール兵庫のパンフレット掲載された第4分科会の紹介文
「オール兵庫」とは、
正式には
全兵庫経営研究集会といいまして、
兵庫県中小企業家同友会の年間行事の中でも最大規模。
今年で第26回を数え、
県下約800社の中小企業の代表が一同に会するドデカいイベント。
中村ブレイス株式会社代表取締役・中村俊郎氏
による記念講演のあと、
8つの分科会に分かれてさらに学びを深める。
わたしは今年でちょうど、
中小企業家同友会に入会して10年。
過去2回ほど
支部例会の
座長っていうものを務めさせていただいたことがあります。
が、しかし、
オール兵庫の分科会で座長っていうのはこれがはじめて。
おもしろい節目でおもしろい経験をさせていただきました。
分科会で経営報告をされた上田さんと
はじめて会ったのは数年前、
経営指針づくり勉強会のフォローアップ。
フォローアップというのは、
勉強会を欠席した人や、
出席したけど復習したい人のための補講みたいなもんで、
ここ何年かはずっとわたしが担当しています。
そこに来られたのがこの人、
ワタキ自動車株式会社
の
上田直樹社長。
はるばる豊岡からの参加です。
パッと見た感じ、
自由奔放なクリエイターっぽくて、
自動車整備のお仕事をされているようには見えません。
その日のテーマは
経営理念。
経営理念とはなにか?
あなたの会社の経営理念には、
経営者の魂が吹き込まれているといえるのか?
会社存立のよりどころとなる経営理念を、
まだつくっていない会社は新たにつくってみましょう。
すでに経営理念がある会社は、
いまいちど文言を磨き直してみましょう。
──っていうのが勉強会の中味。
多くの社長が額に汗しながら、
ああでもないこうでもないと自分の想いを整理して、
慣れない作文に挑戦しては挫折するのくりかえしです。
ところが‥‥
上田さんとの最初の細かいやりとりは忘れましたが、
この人、
>うちの経営理念は
>この絵に尽きるんですよ。
って言って、
1枚の絵をわたしに差し出しました。
切り絵みたいな、
キリンの親子のシルエットだったんですけど、
彼の発言の意図を一発で理解できるほど
わたしは酔狂人ではありません。
>うん、まぁ‥‥
>キリンやしなぁ。
って、
声には出しませんでしたが、
ふつうにそう思っただけ。
これまで長年にわたって経営労働委員会に所属して、
いわゆる
ケイローさんとして
何百社の経営指針書づくりに立ち合ってきましたけど、
キリンの絵が経営理念だなんてね‥‥ ┐(-。-;)┌
あかんとは言いませんけど。
経営指針づくり勉強会には、
いろいろアクの強いも来られますので、
いちいち全員のキャラクターに深入りしたりしません。
>うん、まぁ‥‥
>おもしろそうな人やんなぁ。
──くらいの印象でした。
あとでだんだんわかってきたんですけど、
この人マジで、
>経営はアートだ
っていうのが信条の人。
ずっと音楽やりたくてアメリカで勉強してたのに、
ほんとうは会社の経営なんてやるつもりなかったのに、
前社長の親父さんが事故に巻きこまれて重体で、
しかたがないからアメリカから戻ってきて会社を継いだ
‥‥みたいな。
本人いわく──
>僕は心底「経営はアートだ」と考えています。
>自分のアイデアや感情をどう表現して、
>社員、取引先、お客様、地域社会に伝えるかが
>経営者としての僕の仕事のすべてだからです。
ですって。
だったら徹底的に音楽ネタ一本で突っ切ったほうがいいでしょ
って、
思いましたね。
会社の歴史とか長々と聞かされても退屈なだけでしょ。
クルマ直すのにリズムが大事ですか!?
分科会のメインテーマも音楽にちなんで──
経営理念は会社の鼓動
~PDCAはグルーヴでまわせ!~
と決まりました。
はじめ上田さんは、
OYE COMO VA!
僕のリズムを聞いとくれ
っていうテーマでやりたかったんですけど、
これ、
カルロスサンタナの代表作のタイトルそのまんまなんですけど、
さすがに事務局が難色を示して却下されました。
そんなこんなで、
ご本人によるコンガの演奏から事例報告がはじまるという、
そしてラテン音楽の解説がそれに続くという、
でもそれがちゃんと経営理念につながって自動車整備のPDCAもまわるという、
とってもグルーヴィーな分科会になったのでした。
オール兵庫・第4分科会の応援「無人島」ツアー
楽しかったんだなぁ~これ、
無人島で泊まりがけで勉強してきた件b(⌒o⌒)d
オール兵庫っていう兵庫県中小企業家同友会の行事がありまして、
その中の第4分科会の
座長って大役をわたしが務めさせていただくことになりまして、
報告者の上田さんや分科会の運営委員のみなさんとともに、
分科会を盛り上げようという趣旨で、
そもそも企画されたイベントです。
だからこれは
遊びじゃなくて
勉強(;^◇^;)ゝ
深い深い経営の学びでした。
なんせオール兵庫の分科会ともなりますと、
内容にもそれなりのものが求められるわけでして、
分科会ごとに各支部から1~2名の実行委員が選出され、
総勢約20名の実行委員会が結成されます。
支部の例会とくらべて、
つくりこみのプロセスがケタちがいに大がかりなんですね。
第1回の分科会会議は、
7月1日でしたが、
そこから10月23日の本番まで、
4か月近くかけて上田さんの経営報告を磨いていくわけです。
本番までに
「プレ報告」と呼ばれるリハーサルを何度かやるんですが、
このプレ報告会の回数もずいぶん多い。
ここでちょっと厄介なのは、
わたしが神戸、
ワタキ自動車さんが豊岡ってことで、
往復するだけで5時間以上かかってしまうこと。
室長の黒田さん(黒田昆布株式会社)は姫路の飾磨なんですが、
こんなふうに各委員が地理的に散らばっているのも
ふだんの支部活動とちがうところです。
ちょっとした打ち合わせをしようにも、
おいそれと集まれない。
デジタルがさっぱり苦手だとおっしゃる黒田社長に、
むりやりスカイプの準備をさせて、
豊岡と姫路と神戸でグループビデオ会議を開いたこともありました。
ワタキ自動車さんを訪問させていただくのに、
どうせ豊岡まで片道3時間かけるなら、
どっかで一泊してガッツリ合宿したい
──というところから、
こういうプランになりました。
>日時:8月25日(日曜)16時出港
>場所:無人島(京都府京丹後市久美浜町久美浜湾)
>集合場所:久美浜公園
>翌日:6時または8時に無人島を出られます。
──くれぐれも、
遊びじゃなくて
勉強(;^◇^;)ゝ
ですから。