エムトーン再入門 - しくみづくり屋です

ショウゾウさんの名刺に刷られた肩書きは「しくみづくり職人」。「代表取締役」とは書いてません。 エムトーンの事業ドメインは「しくみづくり屋」です。じゃあ「しくみ」とはいったい何?「しくみ」の定義は?「しかけ」とはどうちがうの? なんでそんな仕事をやってるの?エムトーンってシステム開発屋じゃなかったっけ?

ご先祖さま?(引用元:NATIONAL GEOGRAPHIC)


あなたにはありますか?
しっくりくる肩書きが。

しっくりくる肩書き

今年の春に作ったわたしの新しい名刺では、
自分の肩書きを「しくみづくり職人」としました。
株式会社エムトーン代表取締役

書くよりも、
そっちのほうが落ちつく。
ぴったり当てはまっている感じがするからですね。
どうしようもなく自分は、
しくみづくりの職人
なもんで。
これじゃない肩書きだとしっくりこないことがわかりました。
それは
他の人がどんなふうに思うか
ではなしに、
それより
自分がどう感じるか
っていう話。
他人に通じるかどうかよりも
自分が納得できるかどうかのほうが大事
なんていってるあたりが、
もうすでに職人気質なんですがな。
それを名刺に刷れるようになったっていうのは、
この歳(53)になってやっと押し通せるわがままなのかも。
自分にしっくりくる感じのする肩書きが、
こうしてひとつでも見つかったわたしは、
しあわせ者だと思いますよ。
あなたはどうですか?
違和感なしに、
しっくりくる肩書きを背負ってる感じですか?
職業だってそうですよ。
小さいとはいえ会社を経営してるんだから
経営者
じゃないの?
と、
いわれればそう思わないこともないですが、
志とか自覚という意味からはそうであっても、
DNAとか血筋として備わっている自分の気質からすると、
やっぱり
職人
なんです。
そういうところの見極めがつかなければ、
お金に目がくらんで数字に左右されてしまったり、
つい規模や知名度を追いかけてしまったり、
他人に賞賛されたい欲求が高まりすぎたりして、
仕事がイマイチ純粋に楽しめなくなるんじゃないか

思います。
たかが肩書き
なのかもしれませんけども、
ある意味それは
自分で自分をカタにはめてしまうものなんですから、
慎重に表現する必要がありますね。
会社にとって事業ドメインが大切であるように、
経営幹部ひとりひとりにとってもドメインは大切です。
それが揺るぎない足場となって、
顧客ターゲットが決まったり差別化のポイントが決まったりするわけですから。
しっくりくるまでは何回でも取り替えたっていいもんですから、
ま、
楽しみましょう。
わたしはもう当分のあいだ
取り替えませんけど。

「しくみ」の定義

「しくみづくり」っていう言葉そのものは、
世間ですっかり使い古されて手垢まみれになってますね。
それなのに、
オリジナリティにこだわりたいはずのわたしが、
手垢まみれな言葉を自分の肩書きに用いるなんて‥‥
われながら意外です。
しかし世間は、
どれだけきちんと語義を把握して使っているんでしょうか?
と、
いうからには自分はきちんと言葉の意味を意識しておきたいので、
国語辞典などに頼ることなく、
わたりなりに「しくみ」を定義してみます。
しくみ(仕組み)とは:
ある事象が発現するにあたり、通念的に「このくらいは必要なはず」と思われるエネルギーの量、技術的難易度の高さ、手続きの煩雑さ、時間、人員、費用、等を、実際には要せずに、 もっぱら反復してその事象を生じさせることのできる、すなわち自律的再現性を付加することのできる、道具、法則、習慣、自然現象、等の段階的集合体である。 多くの場合、集合体内部の組みあわせが明らかにされていないか、もしくは奇抜なからくりを内包しているため、 「ああなるからこうなる」式の因果関係を客観的に推察することが困難で、神秘めいている特徴がある。
‥‥で、
この定義に沿って、
ショウゾウさんの考える「よいしくみ」とは、
いったいどんなのかっていうのもまとめてみました。
  1. 発現する事象が有益であればあるほどよいしくみである。
  2. 通念的に必要と思われるエネルギーの量、技術的難易度の高さ、手続きの煩雑さ、時間、人員、費用、等と、実際に必要なそれらとの差が大きければ大きいほどよいしくみである。
  3. 自律的再現性が大きく、人為的に与えられるものを含む外部環境に影響されず、したがって永続的であればあるほどよいしくみである。
  4. 道具、法則、習慣、自然現象、等の段階が、多重もしくは大胆もしくは複雑で、容易に模倣されないほどよいしくみである。
  5. 集合体内部の組み立てが奇抜で、推察されにくく、神秘的であればあるほどよいしくみである。

ええかっこして学者風に無理くりむずかしく書いてみましたが、
平たくいうと──
よそのやり方にくらべたら、
手間いらずでラクちんでカネもかからんし、
誰に任せといても同じようにできるから安心で、
ええことばっかり起こるのに、
ふつうじゃ思いつかないやり方だからマネされない。

ってこと。
こんなふうなものが、
会社にいくつありますか?
なんでもかんでも簡単がいい、
わかりやすいのがいいっていう表現力の世界での話とは無関係に、
「しくみ」はあるていど複雑でわかりにくいほうがいいですよ。
パッと見ただけではぜんぜんわからない。
あれこれいじっても理解できないし想像もつかない。
ところが手品か推理小説みたいに、
タネを明かせば
>あーっ、なんだそういうことかよーっ!
って、
忌々しいほど痛快に溜飲が下がる。
わたしが「しくみ」と呼びたいのは
そんな感じのもの。
インプットとアウトプットはわかりやすくなければなりませんが、
途中のプロセスはブラックボックスでいい。
ちょっとこの洗剤、
使ってみてもらえます。

どうやるんですか。

このタワシにね、
ちょいとこの魔法の洗剤を垂らしましてね。

はいはい。

こするんですよ。

こするんですね。

はい。そうです。
すると、どうです?
さっきまで真っ黒だった壁の汚れがね、
みるみる落ちたでしょ?

こすったんだから落ちますよね。

ピカピカにきれいになったじゃないですか。

タワシで磨きましたからね。
おまけにワタシも汗だくで。

ね、すごい洗剤でしょ。
どういう「しくみ」できれいになったかわかります?

えっ?

‥‥ってな感じで、
これのどこが「しくみ」なんだか‥‥。
こんなことだから、
もちろんわたしがこの洗剤を買うことはないわけなんですが、
現実社会では右も左も、
おもしろくもなんともないビジネスモデルもどきでいっぱいです。
タネあかしもなにもなく、
わかりやすすぎるところに、
わたしの好奇心は掻きたてられないのです。
このあつかましい洗剤売りの男に、
わたしが時間をさいたのには別の理由があります。
資金も経験も何もないド素人でも、
洗剤を売って大もうけができるような夢を見させ、
在庫をがっぽり抱えさせ、
それだけで会社が儲かる「しくみ」をクルクルまわしている誰かがいるとしたら、
えらいもんやなぁ‥‥と。

「しかけ」とのちがい

たびたび「しくみ」とセットで使われて、
ごちゃまぜにされることも多い「しかけ」についても、
ここでついでに「しくみ」と対比させながら定義してみました。
しかけ(仕掛け)とは:
ある事象を発現させるにあたり、複数の道具、法則、習慣、自然現象、等を人為的に掛けあわせることにより、 「ああなるからこうなる」式の因果関係が第三者によって容易に推察されないように工夫された一個の手段である。
──とか、
どちらも世間ではあいまいに使われている言葉ですから、
ちがいなんてものもあいまい。
人によって解釈もばらばらです。
これはわたしの手前勝手な定義ですから、
軽く流していただいてよろしいのですが、
「しかけ」「しくみ」とは
似て非なるもの
である
という雰囲気は
伝わりましたでしょうか。
しくみしかけを含んでいることもあるし、
逆に、しくみしかけの一部になることもある。
では、
「しくみ」「しかけ」のちがいはどこか?
それをわかりやすく説明できる人はそうたくさんいないでしょうし、
わたしもうまいこと言えませんけど、
なぜだかわたしは、
しかけのほうにはあまり関心がありません。
しくみには惹かれるのに、
ですね。
しかけのほうが単純で一発もんだからでしょうか。
作為的で人を欺くというニュアンスが、
語感として染みこんでる気がするし。
そりゃしくみのほうにも、
人の目をくらませる意図はもちろんあるんでしょうけども、
潔く騙してる気がするんですね。
しくみは大自然の中に、
地球上だけでなく宇宙にも偏頗なく築かれ存在しています。
いっぽうしかけは、
知恵のはたらく生き物だけがつくるもので、
その目的は往々にして打算的です。
人智を超越するほど奇想天外であるという畏敬のニュアンスが、
しくみにはあるように思います。
経営用語でいうと、
しくみはマクロな戦略的、
しかけはミクロで戦術的。
要するに、
しくみのほうがしかけよりも重層的であり、
したがって一般的にいうと、
取っかかりから事象発現までのプロセスが悠然と長い。
短期的な損得勘定だけでは成り立たないことも多い。
ああなってこうなって‥‥おしまい、
じゃなく、
これがこう進んで、こっちに曲がって、
あそこで一旦停止して一回転して、
ちょっと跳ねてあれに当たって、
だからこうなって、ああなって‥‥
と、
ピタゴラスイッチみたくなかなか複雑なところもあり、
ブラックボックス度も高くなる。
そういうのが好きなんですね、
わたしはきっと。

職人の試算──輪廻転生型?


10の手間がかかる単調な作業があったとします。
これを毎日、
休みなく1年間つづけたら3650の手間になります。
マメな人は、
それを苦もなくコツコツつづけるかもしれません。
けれどわたしはなんせ、
めんどくさがり屋な性格。
それだったら、
はじめに莫大な手間をかけてでも、
日々の手間を半減させるしくみを考えます。
短気なわたしは、
そのしくみをつくるために寝る間も惜しんで、
5000の手間を投入し、
飲まず食わずぶっとおしで集中して働いて、
100日かけてしくみを完成させました。
まわりからは、
無謀だ非常識だ自分勝手だと非難を浴びました。
しかしそのしくみによって、
101日めからは、
同じ作業の手間が3になりました。
しくみづくりに要した100日間は、
従来どおり10の手間をかけて作業してましたから、
5000+1000=6000の手間です。
1年間では、
残りの265日は3の手間で795ですから、
合計6795の手間を要したことになります。
しくみをつくったわたしがかけた手間:
6795
しくみをつくらなかった人がかけた手間:
3650
あらら‥‥
わたしのほうが圧倒的に作業量が多いんですね。
ヤバいです。
しかも、
これまで10の手間ががかっていた作業が、
1年のあいだにコツがわかって慣れてきて、
8の手間でできるようになったというじゃありませんか。
その結果、
2年を経過した時点で──
しくみをつくったわたしがかけた手間:
7890(=6795+365×3)
しくみをつくらなかった人がかけた手間:
6570(=3650+365×8)
で、
まだわたしのほうが作業量が多い結果となりました。
これは
ちょっと焦ります。
バカだアホだ負け犬だと、
責められて笑われることになります。
しかも、
しくみなんかなくても、
体力アップだけでさらに作業の手間が6に減ったとか。
ますますヤバいです。
が、しかし、
未練たらしいわたしは、
しくみに固執し、
独自なPDCAのメンテナンスを怠りません。
すると3年めには──
8985 対 8760
と、
僅差に追い上げることができました。
しくみのない人は、
もうそれ以上は手間を減らせませんでしたので、
ついに4年め──
10080 対 10950

逆転。
10年後には、
わたしのほうがずっと楽をしたまま
16650 対 24090

大差となっていきます。
(※うるう年は無視)
ずいぶん気の長い話ですけど、
こういうのが好きなんですね。
しくみで手間が3分の1以下になるなんて、
たとえが極端すぎると思われますか?
しかし現実には、
あなたが1時間かかることを
5分でやってしまえる人が、
たくさんいるんですよ。
ITをツールとして使いこなせれば、
10分の1、100分の1の効率化さえチョロいもんです。
そして、
わたしやあなたの資産の10倍‥‥どころか、
100倍、1000倍の資産をもっている人が、
ごろごろいる。
どうやら、
かいた汗の量にまったく比例しない、
何かがあると思うじゃないですか?
その何かのことを「しくみ」と呼ぶのだとしたら、
そういうのが好きなんですね。
はじめに大汗かいてしんどい思いをしたとしても、
あとですっきりするしくみをつくっておきたい。
そんな無精なことを考えてしまう脳なんです。
この怠け癖は天性のもんでしょうけど、
怠けるためのしくみづくりに燃える特異な勤勉さも天性のものです。
しくみづくり職人
ていうのは
わたしの天職なんでしょう。
ショウゾウさんの、
一貫性がありそうでなさそうな意思決定や、
筋書きが読めそうで読めない言動の数々も、
これでわりと説明がつくんです。
明らかにめんどくさがり屋な性格のわたしですが、
必ずしも楽をしたいのじゃなくて、
しんどいことをするのが嫌いなわけでもない。
はたらくの大好き。
ただ、
誰に教わったわけでもなく、
しくみっぽいものにしか脳が反応しない。
目の前に100万円の札束をポンと置かれて、
あげると言われてもわたしは断るんですよ。
ほしいと思わないので。
もらったとしても、
そのまますぐに別の人にあげてしまうでしょうね。
自分の考え出した「しくみ」がどこかではたらいて、
まわりまわって入ってくるお金にしか興味がない。
一時的にドカッとまとまったお金がもし必要になったら、
「しかけ」を考えるかもしれませんけど、
そういう局面がほとんどありませんでしたので、
たぶん「しかけ」をつくるのはヘタです。
「かけひき」みたいなもんはもっとヘタ。
思ったり感じたりしたことがなんでも顔に出てしまうんですから、
ろくなことないですから、
はじめから手を出しません。
「しくみ」をつくるのもヘタなのかもしれませんけど、
好きだからなんぼでもやります。
まわりまわってっていう表現にこめられた
輪廻転生っぽいイメージが
とても好き。
いまの仕事を、
自分の一生の仕事として選んだ理由も、
これだと説明がつくんです。
ゆっくりじわじわエムトーンって会社が成長してきてるってことは、
しくみが実りはじめた証じゃないですか?
だとしたら、
これからも尻上がりに成長率が上がっていきます。
社長のショウゾウさんは、
ガキのころからいたずら好きで、
のべつ悪ふざけばっかりくりかえしてたヤツでした。
おもしろおかしく自由奔放にやりたかったんでしょう。
まじめくさった固い空気がいやで、
ちょけておどけてまわりを笑わせるのが好きだったんですが、
それよりもほんとうは、
あっ

いわせたかったんでしょうね。
いまも
そういうところは変わってないです。
ワルノリやろうがなんやろうが、
まさかの「しくみ」あっといわせたい。
あなたをですね。

しくみづくりの才能

これはまさに、
神がわたしに与え給うた才能じゃないかと思うことがあります。
実はわたし、
しくみづくりの才能があるみたいなんです。

才能がにじみ出すぎて‥‥
よごれた顔でごめんね

天賦の才
ってやつね。
みなさんの中にも、
しくみづくりに向いた人と、
そうでない人がいます。
向いてない人は、
しくみづくりのコツみたいなものを、
本で読んだりセミナーで教わったりしても、
残念ながらなかなか身につかないでしょう。
しくみづくりに欠かせない才能とは
  1. めんどくさがり屋
  2. 気が短い
  3. 未練たらしい


3つです。
どうやらこの3つの性格がすべて、
しくみづくりと関係している
みたいだってことは、
最近になってわかってきたんですけども。
幸か不幸か、
わたしには三拍子すべて揃ってました。
これら3つの才能は、
人間的にはマイナスで、
ふだんの生活においてはただの欠点と見なされます。
会社でも家庭でも、
もめごとのタネになることはあっても良い影響はありません。
ですから本人も、
鋭意改善に努めておる次第なんですが、
生まれながらにして染色体かどこかに埋めこんであったものですから、
どんだけがんばったって帳消しにはできません。
才能だってことにして
ありがたくつきあうしかないんですね。
(1)
ひとつめはこの
めんどくさがり屋な性格。
なんたってわたしの祖先は
まちがいなくオオサンショウウオですからな。

こいつとはわかりあえてます
(引用元:産経WEST)

(こいつを眺めていると、
無性に恋しくなるんです。
気持ちが通じあっているようで、
とても他人とは思えない‥‥)

たとえばゴルフとかスキーとか
ダイビングとか、
そういうスポーツが好きな人、
たくさんいらっしゃいますが、
道具をそろえたり身につけたり、
移動したりっていうのがめんどくさくって、
ちっとも楽しいと思えない。
お金を出してやるからいっしょに
って誘われても断ります。
なので走るしか‥‥
ってことになるわけなんですけども。
そのくらい無精だからこそ、
てきぱきとマメに自分が動かなくても、
気がついたら仕事が終わってたっていうような、
便利な「しくみ」がないものかと延々と模索するわけでして。
(2)
もうひとつの才能というのが、
気が短いこと。
ひとくちに短気といっても、
そんじょそこらの短気じゃありませんぜ。
西日本で五本の指に入るレベルですからな。
懸命な鍛錬の甲斐あって、
どうにかこうにか日常のコミュニケーションに支障を来さない程度に
腹が練られてまいりまして、
社会復帰も果たされましたけども。
思いどおりにいかないことに対して神経質で、
すぐにイライラするからこそ、
次から次へと方法論のパーツが入れ替えられ、
仮説と検証のスピードが上がり、
組み立てがあれこれ変わって試行錯誤が極端に増える。
「しくみ」は偶然の産物であることも多いが、
それを支えているのはたいてい短気者の怒りだ。
(3)
では、
未練たらしいっていうのはどうだろう。
短気なくせに、
ある面では、
妙にしぶといところがある。
しつこくて根気よくて気が長い。
短気なくせに気が長い?
って、
いったいどういうことなんでしょうか?
がんこってことかな。
ムカッとしてケツまくって、
「もうええわ」って口では言うくせに、
心はあきらめきれてない。
惚れっぽくて寂しがり屋で見栄っぱりで、
いつまでも待ってる。
これが執着のややこしいところでしょうが、
それが「しくみ」とどんな関係が?
‥‥って、
めちゃめちゃ関係ありますよ。
こんな未練たらしいヤツだからこそ、
まわりまわって良い成果が得られることを、
辛抱強く何年でも待てるんですからな。
めんどくさがり屋が動機となり、
プロセス構築においては短気で、
成果に対しては未練たらしく。

──これが意外に、
しくみづくりの要諦なんですなぁ。

エムトーンのつくるしくみ

じゃあ、
エムトーンって会社は
なんのしくみをつくっているのか
っていうテーマに入りましょう。
エムトーンの事業ドメインはしくみづくりですからな。
ここんとこ、
経営理念とともに採用試験によく出るとこですから、
特に当社に就職したい学生諸君はよく覚えておくように。
でも、
おとうさん、おかあさんに、
>あなたの会社、
>なんの仕事してるの?

って
きかれたときは、
そのまんま答えてはいけません。
そういうときは
>さぁ‥‥
>なんかシステム開発みたいな。


答えるようにしてください。
ふつうはわたしも
そのように答えてますので。
‥‥?
しくみって何?
っていうのをきちんと説明するのが
めんどくさくないとき
は、
しくみづくりと答えるんですが、
たいていめんどくさいので、
システム開発だってことで済ませてしまうんですね。
‥‥?
そんないいかげんなことでいいんです。
システム開発するっていうと、
どうもITに関連しているような印象がありますが、
本質的な意味を広義にとらえてみると、
実はそういうわけでもなく、
しくみづくりと同じようなもんだってことになるので、
あながち外れてはいないからですね。
エムトーンがつくっているしくみは、
2015年9月現在、
次の3つです。

人を育てるしくみでもなければ売るしくみでもなければ
稼ぎに集中するしくみでもありませんからおまちがいなく。
はい、
これも試験に出ますよぉ ̄O ̄)ノ

風が吹けば桶屋が儲かる

蛇足になりますが、
日本では古くから
風が吹けば桶屋が儲かる
という、
実にすばらしい「しくみ」のサンプルが、
諺として伝えられてます。
役に立たないと斬って捨てるには惜しいので、
桶屋が儲かるに至るプロセスで立てられた仮説を、
整理してみましょう。
ステップは7段階です。
  1. 風が吹いたら砂埃が立つにちがいない。
  2. 砂埃が立てば砂埃が目に入って失明する人が増えるにちがいない。
  3. 目が見えなくなった人は三味線で生計を立てるために三味線を買うにちがいない。
  4. 三味線の需要が増えれば材料確保のために大量のネコが捕獲されるにちがいない。
  5. ネコが大量に捕まえられて数が減ればネズミが増えるにちがいない。
  6. 増えたネズミが桶をかじるのでたくさんの桶が傷むにちがいない。
  7. 桶の需要が増えて桶屋が儲かるにちがいない。

このくらい奇抜な仮説を立てることができて、
すばやく検証して確信することができて、
暴風が吹くタイミングを予測することができて、
桶屋の株を買い占めることができて、
株価が急騰するまで株を売らずに待つことができたなら、
この「しくみ」を発見した人は大儲けできるでしょうね。
このストーリー展開は、
見習わねばなりませんかなぁ。
俗に、
寝ころんでても儲かるしくみのことを
ちゃりんちゃりんモデル

いいます。
寝てて儲かるってことは、
風が吹かなくても儲かるってことですからナ。
>商売ってぇもんはよ、
>そんな甘ぇもんじゃねぇんだよ。
>ナメてんじゃないよ。

ってぇ価値観を別とすれば、
これはこれでひとつの理想形ではあります。
インターネットビジネスの黎明期にプログラマとして独立したわたしの頭にも、
たびたびこのちゃりんちゃりんモデルが去来します。
美しいモデルにはあこがれさえ感じます。
あこがれに掻きたてられてクソ真剣にあれこれアイデアをめぐらせていたら電光石火、
ハッとひらめく瞬間が訪れます。
自慢じゃないですけどわたしは過去に
特許を2つ取得してるんです。
弁理士さんにお支払いした報酬だけで軽く100万円以上はかかったわけなんですが、
だからなんだっていうことじゃなくね、
ショウゾウさんの言ってることもまんざら根も葉もない話じゃないな
っていうくらいには思ってもらいたいわけなんですよ。
うさんくさい話が嫌いだってわけじゃないんですけども、
めんどくさいし遠まわりじゃないですか、うさんくさいのは。
あくまでもどこまでも、
美しいちゃりん

追求したいじゃないですか。
桶屋が儲かるモデルが、
100年、200年の時を経て、
いまに伝わるからには、
この「しくみ」にそれなりの味わいがあるからなわけでして。
>こんなばかばかしい話、
>しくみでもなんでもありゃせんわ!


思われる方、
いまあなたの頭の中にあるモデルと桶屋が儲かるモデルをくらべて、
どっちがどのくらい優れているか検証してみてください。
最後にもういちど復習のために、
「しくみ」の定義をくりかえしときますんで。
しくみ(仕組み)とは:
ある事象が発現するにあたり、通念的に「このくらいは必要なはず」と思われるエネルギーの量、技術的難易度の高さ、手続きの煩雑さ、時間、人員、費用、等を、実際には要せずに、 もっぱら反復してその事象を生じさせることのできる、すなわち自律的再現性を付加することのできる、道具、法則、習慣、自然現象、等の段階的集合体である。 多くの場合、集合体内部の組みあわせが明らかにされていないか、もしくは奇抜なからくりを内包しているため、 「ああなるからこうなる」式の因果関係を客観的に推察することが困難で、神秘めいている特徴がある。
ちなみに‥‥
いくみとは:
2014年4月に入ってきたエムトーン社員。やまおかいくみ。女性。(※2017年12月退職)
(こんだけ長文で引っぱっといて最後のオチがこれかいやっていう‥‥ね、がんばりましたよね。 こういうのがワルノリっていうやつでしてね、 ショウゾウさんの仕事にはどうしても必要なエッセンスなんです。 ひとくちに職人っていったって、いろんなテイストがありますでしょ。 しくみづくりをエムトーンにご依頼される際のご参考まで。)